SS第7話 やはり………と言うべきか。 あの日の危惧から数日後、午後のお茶をパチュリー様に持っていく途中、 その爆発音は地下の図書館から立て続けに聞こえた。 私は、歩く速度を速め音がしたほうへ向かう。 「パチュリー様、どうされました?」 扉を開けながら、私は中にいるであろう人物に声をかける。 しかし、扉を開けた私が目にしたものは、惨憺たる部屋のあり様だった。 一部の本や本棚は完全に焼け焦げ、辺りの床や壁に焦げ跡や黒い煤が付いているのが見て取れる。 そして、床に一固まりの黒い物体が………、いや……、あれは小悪魔!? よくよく見れば何やら、おかしな羽根やら尻尾やらが付いてる。 まあ見るのも無惨なボロボロの姿だった……。 「これは………、何をされたんですか?」 私は、もう一度、宙に浮き無傷なままのパチュリー様に声をかける。 「さあ?私にもよくわからないのよ。急に爆発が起こって、慌てて私と近くの本棚に  水符で、防御陣を張ったけど、一部の本は焼けてしまったみたいね……。  はぁ………、勿体ない…。」 心底残念そうにため息をついた。 「では、原因はわからないと?」 「そうね。大方、火薬が暴発したのか、小悪魔辺りが乱暴に扱ったかでしょうけど。  正確な理由はわからない。怪しい気配も感じなかったし……。でもまた作り直すには、  間に合わないでしょうね。残りの火薬もろとも全部爆発しちゃったから。」 パチュリー様は衝撃の事実を口にする。 「では、どうするのですか?皆には、もう実施すると言ってありますが。」 私は予想通りの答えだったが、半ば驚きつつ聞いた。 しかし、パチュリー様は軽い口調で、 「ま、どうにかなるでしょ。魔理沙も作ってるみたいだから。」 私は驚き、 「魔理沙が何か動いてるって、花火作りの事だったのですね……。」 私はここで初めて今回の黒幕が誰だったかを悟った。 そして、予想に反することなく新しく花火を作ることは間に合わず、その当日になるのだった……。