SS第4話 神社からの帰り道、私は今回の出来事のついて考えていた。 今回の出来事に、何かちょっとした違和感を感じたからだ。 おかしいと明確に思ったわけではない。ただなんとなく、引っかかりを感じた…。 お嬢様が、思い付きで、何かを始めるのはいつものこと。 今回も、パチュりー様が文献を調べ製作、私が根回し、宣伝をやっている。 だが、いくら思いつきとはいえ、お嬢様が何かをやろうと言うときには何かしらの理由(原因) がいつもはある。 この前の月に行くときも、帰ってから地下の図書館に海を作る時も、お嬢様が興味を持つような 題材、理由があった。 今回はその理由がない。もしかしたらあるのかも知れない、しかし、私は知らない。 絶対誰かがお嬢様に花火大会について話をしたはずなのだが、それが分からない。 この事が、私が違和感を感じる点だろうか。 あれこれ考えている内に、紅魔館へと戻ってきた。 「お嬢様、ただ今戻りました。」 部屋に座って、紅茶を飲んでいたお嬢様に声をかける。 「あら、咲夜、お帰り。で、どうだった?巫女は承諾したかしら?」 「はい。結構しぶっていましたが、結果的には快くやってくれるそうです。」 「そう。それは良かったわ。これで、心置きなく花火大会ができるというものね。」 と、嬉しそうに笑う。この笑顔は、500歳生きてるとは思えないほど幼い。 顔に血が上ってきそうだったので、慌てて話題を振る。 「それで、肝心の花火はもうできたのでしょうか?」 「ああ、それならパチェに調べさせてるわよ。魔理沙も独自に動いているようだし、 心配はないでしょ。直にできるわよ。」 「そうだといいんですけど……。」 違和感の正体はもしかしたらこれかもしれないと思い、私は小さな声で呟いた。