<犬がやって来る>

犬が来るまでに

さて、もうすぐ犬が来ると決まったら、受け入れ準備に取り掛かりましょう。

   まずは部屋の掃除!

人間の赤ちゃん同様で、特に子犬は好奇心旺盛で何でも口に入れたり、かじったりします。ゴミ箱、スリッパ、新聞、ティッシュなど犬が届く場所にかじられては困るものは置かないようにしましょう。タバコや薬、小さいモノはすぐに飲み込んでしまって、とても危険なので片付けておきましょう。電気コードや電話の配線などもかじられないようにカバーをしたり届かないようにするなどの工夫をしましょう。

   サークル、トイレの場所を決めましょう。

室内で飼う場合は犬が安心できる落ち着いた場所を用意してあげると良いでしょう。玄関や窓の側など人がよく通る場所や外の音が気になるような場所は犬が落ち着かないので避けましょう。犬を外で飼う場合は、ワクチンがまだ終わっていない子犬のうちは免疫力が弱いので、それまでは室内で飼うのが良いでしょう。外に犬小屋を置く場合も落ち着いたところにし、外気の暑さ、寒さに気をつけ、犬の健康管理をしっかりとしましょう。

   信頼できる動物病院を探しましょう。

飼い主さんの話をきちんと聞いてくれて、分からないことには親切に納得のいくまで説明してくれ、また動物に愛情を持っている獣医さんを探しておくと良いでしょう。獣医さんによって考えや処方も違ってくるので、何件が回ってみて飼い主さんが安心、納得できるところを探しましょう。

   犬の名前を考えましょう。

来てからでも遅くはないですが、すぐに名前を覚えさせる為にも早めに決めておくと良いでしょう。既に名前が付いていた犬でも、もしも前の飼い主さんが日頃から、「コロ、何やってるのー!」「コロのバカ!」などと言われ虐待されていた犬でしたら、犬が自分の名前に悪い印象を持っているかもしれませんので、そのような時は変えても良いでしょう。

   食事の与え方、しつけの仕方、健康管理などについて再度確認をしておきましょう。

   近所にお散歩が出来る公園や通り、ペットホテル、グッズ売り場なども事前にチェックしておくと良いでしょう。

<購入先からの確認ポイント>

(保健所などからの引き取りの場合は分かる範囲で)

1:生年月日

2:健康状態、性格

3:成長記録(体重、体高など)

4:飼育環境(どんな所でどのように育ったか、親兄弟とはいつまで一緒だったかなど)

5:食事の内容(ドッグフードの銘柄、1日に与える量と回数、フードの硬さ、ふやかしが必要かなど)

6:ワクチン接種日・回数・種類(何の種類の混合ワクチンを接種したかなど、証明書を貰うと良いでしょう)

7:駆虫記録(駆虫検査をしたか、駆虫の必要があるかなど)

8:血統書(犬の引渡し時に貰えない時はいつ貰えるのかきちんと確認しておきましょう。名義変更手続きはペットショップであれば代行してくれるところもあります。)

9:売買契約書の確認(内容に不明点や不備がないかきちんとチェックしましょう。)

拾ったり、保健所からの受け取りで健康状態が不明の場合は、動物病院で健康状態のチェックを必ず受けましょう。  

ハルの引き取り事前情報は、こんな感じでした。

 

 

  犬が来る当日

子供が一人増えるというくらいの覚悟をしっかりともち、家族みんなが大らかな気持ちで迎え入れましょう。優しく声をかけながら、まず、犬の居場所(サークルなど)とトイレを案内してあげます。それから、お水を用意してあげましょう。

   犬を自宅に連れて来る際に、今まで犬と一緒にあり匂いがついている敷物やオモチャ、タオルなどがあると犬は安心するので、購入先から貰えるようならお願いしましょう。事前にタオルなどを渡しておいて、しばらく一緒においてもらい、当日持ち帰るのも良いでしょう。

   犬が来た当日は、突然環境が変わり、親兄弟とも離れ、不安が一杯で落ち着かない状態ですので、大騒ぎをしたり、やたらと撫で回し遊んだりせずに、ゆっくりとさせて、よく寝かせてあげましょう。子犬のうちは一日、1820時間は睡眠が必要です。人間でいうとまだ赤ちゃんの状態ですから、食べて排泄し、ちょっと遊ぶ以外はほとんど寝ているのです。寝ている時は途中で起こしたりせずに十分に寝かせてあげましょう。好奇心一杯の子犬は人がいろいろとかまうと、自分の体力の限界以上に遊んでしまい、その疲労によって体調を崩してしまうかもしれません。少しずつ環境に慣らして、徐々に家族と遊ぶようにしましょう。特に小さい子供がいる家庭では子供が容赦なく子犬と関わろうとするので気をつけてあげましょう。

   フードは犬が落ち着くまでは、購入先で使用していた慣れているフードを使いましょう。フードを変える時は事前によくフードの勉強をし、その子に合った良いフードを吟味し、犬の様子、便の様子を観察しながら徐々に変えていきましょう。新鮮なお水は常に用意しておきましょう。水をひっくり返したりしてしまうようであれば、給水器を使うのも良いですが、水の出が悪いものが多いので、なるべくボールのほうが良いでしょう。最近は手作り食を与えてる飼い主さんも増えているようですが、人と犬との必要栄養素や量、カロリーなどは違いますし、犬に与えてはいけないもの(タマネギ、イカ、タコ、チョコレートなど)もありますので、きちんと勉強してから慎重に行うようにしましょう。

   トイレのしつけは初日から行いましょう。床の臭いをクンクン嗅ぎだしたり、そわそわしたり、グルグル回るなどの行動をしたら、トイレの合図です。すぐにトイレの場所に連れて行きましょう。そして、なるべく失敗を繰り返させないようにしましょう。寝起き、食後、遊んだ後によくします。最初はトイレの周りをサークルなどで囲い、トイレシートを広い範囲に敷いて、犬が排泄するまでトイレから出さないようにし、きちんと排泄できたら、たくさん褒めてあげて、サークルから出してあげましょう。室内できちんと排泄できるようにしておくと、雨の日や病気の時、また老犬になり体が不自由になった時などにも安心です。

   家のルールを覚えさせましょう。トイレの場所、寝る場所、噛んでいいもの、悪いもの、入ってはいけない場所などを最初にしっかりと覚えさせましょう。

   室外で飼う場合も室内の場合でも温度、湿度には気をつけてあげましょう。寒過ぎても暑過ぎても体力の消耗につながります。特に子犬の場合は免疫力もなく敏感です。夏場はクーラーをいれたり、冬場はペットヒーターを使用するなどの工夫をしましょう。

 

  犬が来てから

   スキンシップを兼ねて、ブラッシングをしながらの全身チェック(皮膚に異常はないか、耳の中、鼻、爪、目、肛門周りなど)は毎日しましょう。優しく声をかけながら犬とコミュニケーションをとりましょう。

   犬が環境に慣れて落ち着いたら、オスワリ、フセ、マテなどの基本的なしつけを始めましょう。家族で共通の言葉を使い、一貫したしつけを行いましょう。最初は出来なくて当然です。焦らず毎日少しずつ行いましょう。子犬の時はなかなか言うことも聞かず、好奇心旺盛でいろんな物をガジガジと噛んでしまったりするので、ついつい怒ってしまいがちですが、かじられては困るものは犬が届く場所に置かないようにするなど、予防していくことが大切です。失敗をなるべくさせないように常に飼い主が先手を打ち予防し、褒めてしつける方法が犬にとっても人にとってもストレスなく出来るので良いでしょう。体罰は、百害あって一利なしです。決してやらないようにしましょう。

   普段の生活の中では、飼い主さんが食事が終わった後に、犬の食事にする。お散歩の時など玄関や戸から出る時は、飼い主さんが先に出る。犬から催促されても対応しない。など常に一貫した態度を示し、常に飼い主さんがリーダーということを犬に認識させ、犬との信頼関係を築きましょう。犬との遊びも飼い主さんから誘ってあげて、飼い主さんから終わりを告げるようにし、オモチャも勝手に置いておいて犬に遊ばせるのではなく、飼い主さんがしっかり管理し、常に飼い主さんが主導権を握りましょう。

   いろんなモノの刺激を与えましょう。子犬の時からいろいろな音や人、動物に慣れておくと良いでしょう。家庭内の生活音(テレビ、掃除機、インターホン、食事を作る音など)や外の音(車、バイクなど)にも早いうちから慣れさせましょう。いろんな音が入った効果音CDが市販されているので、それを使うのも良いでしょう。新聞屋さん、お客さん、子供、獣医さん、近所の人達、犬、ネコなどにも慣れさせていきましょう。

   まだワクチン注射が終わらず外を出歩けない子犬のうちは、まずは首輪、リード(引き綱)に慣らせておきましょう。初めて見るものにビックリしてしまう犬もいると思います。いきなり首輪を首に巻いたら驚いてしまうかもしれませんので、まずは首輪やリードを下に置いて見せてあげて、怖いものじゃないということを教えます。オヤツを近くにおいたりして慣らすのも良いでしょう。慣れてきたら、首輪、リードを付けて見ましょう。最初はイヤがるかもしれないので、オヤツなどを使って誘導し、怖いものではないということを教え、リードをつけて歩くことに徐々に慣らしていきましょう。上手くいかなくても強制的引っ張ったりせずに焦らず、最初は数分程度の短い時間から始めて、無理をしないようにし、毎日ちょっとずつ時間を長くしていきます。また、犬を抱えて、外に出して、どんどん刺激を与えましょう。家の周りや人、犬、車や植物までいろんなものを見せてあげて、早く周りの環境に慣らしてあげると、いざ外にお散歩に出れるようになった時にスムーズにいくでしょう。

   地面に付いてお散歩が出来るようになったら、リードは必ずつけましょう。広い公園などではついノーリードにしてあげて、思い切り走らせてあげたい。と思う方もいるかと思いますが、条例などで定められておりますし、犬を嫌いな人、怖いと思っている人もいるので、気をつけましょう。また排泄物は当然処理し、周りの人に迷惑を掛けないようにしっかりマナーを守って、愛犬と楽しくお散歩をしましょう。公園など広いところでは、ロングリードを使うのも良いかと思いますが、初めてロングリードを使う際には、きちんと使い方を熟知しましょう。操作の不慣れでロングリードを落とし、ビックリした犬がパニックになり逃走し、思わぬ事故につながったという話もありますので、気をつけて使用しましょう。犬を自由に走らせてあげたいと思っている方は、ドッグランやドッグパークなどを使用すると良いでしょう。

   子犬の場合は地面についてのお散歩とシャンプーはワクチンの接種が終わってからにしましょう。子犬のうちは免疫が弱く、いろいろな病気に対する抵抗力が弱いので、病原菌から守ってあげなければなりません。体の多少の汚れは濡れタオルで拭く程度で充分でしょう。成犬の場合は毎日お散歩に行き、シャンプーは月に1,2回行うと良いでしょう。

   爪切り、耳掃除は2週間に一度くらいチェックし処理をしましょう。飼い主さんが出来ない場合は動物病院やペットサロンなどでやってもらいましょう。

 

犬の登録、健康管理について

   混合ワクチン接種:子犬の場合は2回または3回接種します。(病院の指導方法により違います。)成犬の場合は毎年1回接種。

   狂犬病予防注射:毎年1回摂取。

   登録:犬を取得した日(生後90日以内の犬を取得した場合は、90日を経過した日)から30日以内に市町村長に犬の登録を申請しなければなりません。病院で狂犬病予防注射を打った際に貰える狂犬病予防注射済書を持って行き、手数料を支払う。鑑札と注射済票が交付されるので、これらを犬の首輪につける。(市町村への登録は狂犬病予防注射をした際に病院側が代行でやってくれるところもあります。)

   フィラリア検査、予防薬:蚊が出る5〜11月の間頃、月1回(獣医さんと相談の上)

   ノミ・ダニ予防:ノミ・ダニが出る3〜12月の間頃、月1回(獣医さんと相談の上)

   去勢・避妊手術:メリット、デメリットを見極め、獣医さんと相談の上、最終的にするかどうかは飼い主さんが納得した上で決めましょう。

   健康診断:一年に一度は検便も含め行うと安心です。  

 

ハルの健康管理はこんな感じです。